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2024年パリ五輪 男女混合競歩リレー 男女混合競歩リレーの魅力⑤ 勝負が動くポイント

男女混合競歩リレーの魅力①では、難しさを解説しています。

男女混合競歩リレーの魅力②では、ペアの組み合わせを解説しています

男女混合競歩リレーの魅力③では、2回10km歩くことを解説しています

男女混合競歩リレーの魅力④では、適性のある選手にについて解説しています

 

2024年パリ五輪 男女混合競歩リレー が五輪新種目として開催されます

その魅力と面白さ!をデータを交えて解説していきます!

男女混合競歩リレーでは、一人の審判が一つのチームに最大2回警告(レッド)カードを出すことが出来ます

チームとして3枚警告(レッド)カードが集まると、3分のペナルティエリアの待機となり

その後に1枚追加されるたびに、1分のペナルティエリア待機となり、

7枚目の警告(レッド)カードが審判から出されると失格となります。

 

選手としては1枚しか警告(レッド)カードを受けていなかったとしても

男女それぞれに警告(レッド)カードを受けると、2枚の警告(レッド)カードとなるため

ペナルティまであと1枚の警告(レッド)カード。

選手はより慎重にレースを進めることが求められ、メダル争いや優勝争いをしていると

3枚目の警告カードでのペナルティエリア3分はほぼ挽回不可能となってしまいます

それが、2024世界競歩チーム選手権で池田選手が実力発揮できなかった要因となりました

下の表をみてください、注意と警告を出された大まかな表です

サマリーシートを参考に作成しました

表がどうしても不鮮明になってしまうので、解説すると

JPNチームは14時51分に2枚目の警告(レッド)カードを受けてしまい、あと1回の警告(レッド)カードでペナルティ3分という状況になりました

池田選手が2回目10㎞を歩いている途中で、しかもまだ半分の5㎞を残しており、

ペースを3’50/㎞だったのを、4’10/㎞まで落として3枚目をもらわないようにすることに専念しました。

 

実はこの警告(レッド)カードのトラブルは優勝候補チームを大いに苦しめました。

AUSも優勝候補でしたが、エースの女子選手モンタグ選手が2枚の警告を2本目のラスト5㎞でうけて追い上げることが出来ず

 

中国は出場した3つのチームとも優勝候補でした

圧倒的な「40㎞持ちタイム」1位の中国チームは

20㎞で2枚の警告(レッド)カードを受けてしまい、粘って警告を受けずに歩いてましたが

最後2㎞というとこで警告を受けてしまい3分のペナルティエリア待機

12位とTOP10にも入れず中国2チームにも前てしまいました

 

この中国2チームも19㎞地点で2枚警告(レッド)カードを受けていたのでまったくレースになりませんでした。

 

ESP3チームも、世界陸上ブタペスト大会女子競歩2冠のマリアペレス選手が一人で4つの警告(レッド)カードを受けて

せっかく世界陸上北京大会20㎞競歩金メダリスト、ロペス選手の良さを活かすことが出来ませんでした。

 

実は、今回の審判の判定には「ある傾向」がみられました

以下のグラフを見てください

横軸は距離軸です。縦軸は「注意(青ライン)」と「警告(オレンジライン)」出された総数を積算したものです

距離がまだ序盤の男子1stLegでは「注意(青ライン)」が多いですが

当然、注意が警告に変わりやすくなる後半は「警告(オレンジライン)」がおおくなり

後半にかけて「警告(オレンジライン)」を受ける回数が多くなるのが分かります

横軸の距離軸に男子選手が歩いた距離はグレー、女子選手が歩いた距離は薄いピンクの横棒をいれました

 

グラフを見ると、男子選手も女子選手も「リレーしてすぐに注意・警告を受ける割合が高い」のが分かります

 

はやる気持ちは当然あるとは思いますが、リレー直後は冷静にフォームを作ることが必要でしょう

男女ともに2回目を歩くときは「注意」ではなく、「警告」を受ける確率が高くなり

その後のレースを作れなくなる可能性が高くなります。

 

逆に言うと、フォームに心配のないチーム、まだ警告を受けてないチームは

男女2回目の3rdLeg・4thLegは仕掛けるタイミングとも言えます

 

おそらく、各国はこの辺を対策してくるでしょう

 

栁澤 哲(競歩TV解説者)

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%A0%81%E6%BE%A4%E5%93%B2

 

転載・引用は可能ですが、HP「問い合わせ」より、ご連絡ください

 

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