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競歩でゴールしたから、自分のフォームが良いフォームだと思うのは誤解の場合もある
関東マスターズ選手権で競歩出場した方より、ご連絡を頂きました。
2016年に初出場して、2年ぶりの出場だったのですが
見事自己記録を猛暑の中で10秒ほど更新されました。
年齢的なことを考えると、多くの同年代の皆さんがタイムを落とす中
とても素晴らしい結果です。
メールで報告を受けましたが、こんな内容も含まれていました。
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カードは一枚も出ませんでしたが、ただ審判が一人しかいなかったように思います。しかもその方は
あまり理解できてないような人では?と、明らかに走っている人もいましたがそのままでした。
この光景を見た時、面白さが半減しました。マスターズも人手不足?
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けっこう大切な課題なので、ちょっと所感を。。。
まず、多くのスポーツ組織が人手不足を感じています。
東京マスターズ陸上競技連盟もそうでしょう。
特に、シニア層(65才以上)に向けた団体は顕著です。
全国にあるウォーキング協会ですら、会員不足になっています。
特に役員や係員の不足は顕著です。
その理由の一つは、一昔前は運営する側はそのシニア層でした。
しかし、体力のあるシニアが増えて、運営側としてイベントに参画するのではなく
楽しむ側としてイベントに参加するシニアが増えた、ということがあります。
わざわざ、裏方をする必要は無いのですから。
そして、大会運営はほぼボランティアで、猛暑の中を役員はスタッフとして
少ないスタッフの中でやりくりし、参加される皆さんのために運営に奔走します。
それはもう大変な労力でしょう。
そんな姿を見れば、
参画するぐらいなら、楽しむ側として参加した方が、圧倒的に楽しい
わざわざ、大会は楽しいけどスタッフまではしたくないかなぁ、っと考えて
役員やスタッフがどんどん減っていくのは理解できる話です。
そして、競歩の審判だと暑い中ずっと立ちっぱなし
もちろん審判は、競歩だけではなく様々な種目の審判や係をします。
そして、マスターズという対象はジャッジをするのに非常に難しい対象、という側面もあります。
ランからの転向組だと、ルールをあまり分かっていない競歩初参加の選手から
文句を言われることも珍しくありません。
ほぼボランティアで、
猛暑の中で立ちっぱなし、
選手からは文句を言われる。。。
結果として
審判としてののモチベーションが低くなり、
厳正な審判では無く、文句を言われるのは面倒だから審判やや甘くなる
それでもちゃんと審判して欲しいと強化スタッフとしては思えども
人として理解できなくはない、話です。
ただ、厳正なジャッジがなされないことで「競歩」という競技の楽しさが、
このメールの通り半減してしまう、これも確かなことです
そして、一番困るのは厳正な評価を受けることなくゴールした選手だということです。
良い結果が出せて、よりレベルの高い試合に挑戦しようと思ったときに
失格をしてしまう可能性が高まるからです。
日本マスターズ陸上選手権、そして世界マスターズ陸上選手権。
一応、誤解の無いように書いておくと、「審判が一人だった」ということはありません。
それは、ちゃんと失格をしている選手もいるからです。
少なくとも3名の審判がいないと、失格者は出せません。
「ラン」と「ウォーク」を分ける以上、どうしてもそこにルールが必要です。
そして、そこにルールを厳正に運用する審判がいます。
選手と審判で競歩という競技を成立させます。
そういう意味では陸上競技の中でも「大人」の競技です。
なんでもがむしゃらで良い訳ではありません。
競歩でゴールしたから、自分のフォームが良いフォームだと思うのは誤解の場合もある
そう考えた方が、先につながる考え方だと思います。