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2017世界陸上ロンドン大会 50㎞競歩 レヴュー
50km競歩では、荒井選手「銀」メダル・小林選手「銅」メダル
2つのメダルの獲得にわきました。
では、このメダル獲得につながった要因はなんなのか?、考察したいと思います。
〇荒井選手の存在
リオ五輪でメダルを獲得した荒井選手は、メダルを獲るための感覚を身に付けました。
この「感覚」というのは、成功しないと身に着かない貴重なものです。
その感覚を活かして、銀メダル争いの集団から、非常に良いタイミングでスパートし
苦しくなった小林選手に声を掛けて、自分に着いてこさせた、というのは複数メダルにつながった
超ウルトラファインプレーでしょう。
小林選手としては、荒井選手に着いていくだけで、このメダル獲る感覚に恩恵を受けることが出来
銅メダルにつながりました。
もちろん、荒井選手についてこうとして、つき切ることができた小林選手は賞賛されるべきポイントです
〇リオ五輪の金銀メダリストの不在
リオ五輪金メダリスト・トス選手(スロバキア)は、出場を予定していましたが、
ドーピング疑惑(まだ疑惑)があり、出場資格を停止され出場できませんでした。
同じく銀メダリスト・タレント選手(オーストラリア)は、直前までサンモリッツで
合宿し、試合に向けて練習していましたが、ケガのために出場を断念しました。
やはり、この二人がどちらかでも出ていたら、厳しい戦いとなっていたでしょう。
もし、この2人(例え1人でも)、荒井選手はメダルを獲る最善の選択を選んでいたでしょうから
2人との勝負に徹し、チームプレーをする余裕はなかったでしょう。
荒井・小林・トス・タレントでメダル争いとなったので、厳し結果も待っていたかもしれません。
〇圧倒的だったディニズ選手の存在
金メダルを獲得したディニズ選手。彼は30㎞過ぎでペースダウンをするのはいつものことなので
各選手とも、ディニズ選手が飛び出したときに、「きっと30㎞で失速するだろう」と考えた選手は多いと思います。
しかし、実際はそれは起きず2位に8分差つけて優勝しました。
しかも、5位までの1周差(2㎞)をつけるという他の選手と圧倒的な強さでした。
もし、これがこんなにも圧倒的でなく、荒井選手が追いかければ「金メダル」かもしれない!
という差でしかなかったら、金メダル獲得のためのレースをし、ペースアップをしたでしょう。
実際は40㎞で、5分30秒もの大差だったので銀メダル争いに集中できた(切り替えた)ことは
小林選手にとってラッキーだったでしょう
〇涼しい時間帯でレースができた。
外国勢は日本人が思うほど暑さに弱い、ということはありませんし、
日本の選手が暑さに強い、ということはありません。
実際に高温となったリオ五輪では荒井選手以外の日本人は残念ながら上位にこれず
大阪の世界陸上は30度を超える超高温でしたが、日本人選手は全滅でした。
つまり、海外勢が上位を占めました。
今回は、スタート時の気温は16度と、日本でのレース並みの涼しさ。
各選手が実力を出せる気温であり、そうなると「強い」選手が勝ちやすい環境だったでしょう
レースというのは、ちょっとしたことが大きく順位を分けてきます。
メンバー・レース展開・気温。
自分にとって最善の選択を要所要所で冷静に見極めることが出来たとき
メダルに辿り着きます。
エースとなった荒井選手、今回のメダル獲得はとにもかくにも
「エース荒井」誕生が1番大きな要因だったのは間違いありません。