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現代 五輪における選手マーケット論 今、選手に求められもの 【序章②】
五輪が商業化し肥大化していっているのは、ソフト(競技)の肥大化が、
ハード(施設やインフラ)の肥大化を招いいる部分があります。
そして、五輪が肥大化しているとはいえ、夏季五輪と冬季五輪では格差があります。
夏季五輪は、競技種目数は
もっとも多かったシドニー五輪で28競技300種目、
もっとも冬季で種目数が多いソチ五輪7競技98種目
このことからもいかに夏季五輪が大きいかがよくわかります。
夏季五輪は開催費が高騰し、開催国への負担が大きいので、
規模の縮小をしたいという考えから、室内競技を冬季に五輪に移したらよいのでは?
という案も実際に検討されたという話もあります。
しかし、該当する競技団体から猛反対があり、実現が難しそうです。
まず、そもそも冬季五輪は規模が広がらないのか?
それは冬季スポーツが可能な国が限られてしまい、
競技が世界的に広まらない、という大きな課題があります。
五輪で採用される種目というのは、
あくまでも世界中に競技者がいることが前提になります。
1年中雪の降らない国というのは、どうしてもスキー・スノボ系の種目は広がりません。
身近なスポーツとして、国民も親しめないので
どうしても競技に対する理解も広がらないでしょう
夏季五輪はその心配がありません。
1年中ずっと雪が降り続く国はありませんし、例えあったとしても、極わずかです。
そうなると世界的に競技を広めたい・PRしたいと考えると、
より多くの人に見られる夏季五輪の方が、競技団体が世界的に競技の認知度戦略をしていく上で
冬季五輪に移籍するメリットは見つけにくいです。
もし、あるとすればマラソンやサッカーなど、酷暑での競技をすることで
人体に大きな影響が考えられる種目であれば検討のテーブルにも載るとは
思いますが、冬季五輪だけに「雪」の問題があります。
雪が降ってしまえば、こうした競技は開催自体ができなくなります。
このままでは、夏季五輪と冬季五輪の格差は広がっていきます。
その対策でIOCは冬季五輪のソフトの充実を図るため種目を毎回増やしています。
(1998年長野五輪7競技68種目→2014年ソチ五輪7競技98種目)
IOCは夏季五輪は肥大化、冬季五輪は拡大、
同じ五輪でありながら正反対の課題を抱えているということです。