BLOG
ウォーキングブログ
厳しい気象状況が選手を苦しめた 第106＃日本選手権競歩20㎞競歩 神戸 ＃男子20㎞ #女子20㎞ レビュー
【2023年02月20日 06:00配信予定】
ウォーキングで「ふくらはぎ」が痛くなる&スペインで犬にふくらはぎを噛まれた… – 柳澤さとし(ウォーキングトレーナー 競歩-元五輪選手&4つ距離の元日本記録保持者)
https://r.voicy.jp/389ReYP6mXj
#Voicy
今年の世界陸上の代表を決める日本選手権が開催されました。
あいにくの雨、時折り吹く風、下がる気温
厳しいコンディションとなりました
男子20km
難しいレースコンディションの中、
予想通り、
松永–高橋選手の富士通チーム
川野–池田選手の旭化成チーム
に、
世界陸上入賞の住所選手の5名が
トップ集団を作りました。
しかし、1時間20分を切ったことがある、ない
という心理的影響は大きく
ハイペースに住所選手が遅れ始めます。
住所選手も、一度、20分が切れれば一気に記録が縮められると思います
そして、さすがに1時間17分台の選手相手では
自分のレースに持ち込むことが出来なかった
松永選手も遅れ始めます。
ただ動きにいつものキレが無く、寒さだったのか
トレーニングがここまで順調ではなかったのか
調子はイマイチそうでした。
50kmや35kmに主戦場を移した川野選手も
この心拍数が高い状態で続くレースに身体が慣れていないのか落ち
10km手前で高橋–池田選手に絞られ
マッチレースの展開になりました
池田選手がペースを時折り速くし揺さぶっていた感じがありました
先頭集団から落ちた選手もにはその影響があったのかもしれません
それを耐え切ったのが、高橋選手というレースでした。5-6㎞から二人のマッチレースになりましたが
終始、池田選手が主導でレースが進み、16㎞地点で
池田選手はどちらかというと受けのレースをすることが多かっただ
積極的に主導権を握って勝ち切ったこともすごかったですが、
個人的にはフォームの安定感が素晴らしかったです。
先頭集団でも、足が低く速いペースになってもそのフォームの崩れはありませんでした
東京五輪では、後半フォームのバランスを崩して、スピードが出し切れず
警告も受け惜しくも銀メダルでしたが、
レースを主体的に作る・後半でのフォームの安定、ともにレベルアップし
山西選手・スタノ選手（東京五輪金）とリベンジマッチが楽しみになりました。
女子20㎞競歩は、いつもの藤井・岡田両選手の引っ張り合う
というレースになるかと思いましたが、
藤井選手が早々に前に出ました
序盤であれば2-3秒くらいのわずかな差であれば、
詰めてついてレースを進めるのがレースのセオリーですが
岡田選手はそれを選択せずに自分のリズムでレースを作ります
ベテランで百戦錬磨の岡田選手もこのセオリーは良く使ってきた中で
この選択がどうなるのか？
やはり縮まらずジリジリと差が広がりました
レースを見ていて、表情的には藤井選手の方がきつそうで
岡田選手の方が、淡々としていたので、
藤井選手が少しでも気を緩めると、一気に詰まりそうな感じでしたが
世界大会を入賞を何度も経験し、岡田選手と何度も戦ってきているだけに
「隙」を見せることはありませんでした。
そうなると、「わずかな差」は積み重なります
最終的にはこの僅かな差が二人のゴールタイムの差になりました。
女子20㎞競歩、という視点でみると
上位2名と3位との差、
1位藤井選手1時間29分54秒
2位岡田選手1時間31分21秒（＋1分27秒）
3位柳井選手1時間33分46秒（＋2分25秒）
どうしても、上位との差があります。
神奈川大学の内藤選手（4位1時間36分58秒）も
1時間33分台の自己記録を持っています。
あと少しで、1時間30分が見えてきている選手たちは
育ってきています
パリ五輪で導入される「混合競歩」を見据えても
この20㎞で女子のレベルアップは日本競歩の課題ですが
選手が育ってきているのも確かなので、
全日本能美大会女子20㎞競歩はオーストラリアのモンタグ選手も
出場予定なので、どこまで日本女子がチャレンジできるかも
楽しみにしたいと思います
今回は、厳しい気象条件でしたが、
やはり、強い選手はある程度の厳しい条件でも
力を出し切れる高い能力がある、ということ
多く選手は自己記録より遠いタイムになったと思いますが
厳しいながらも、
「追い風の利用の仕方」
「向かい風のいなし方」
「戦術的に気象条件を使う」
など、
状況への適応能力の高さが、安定して結果を残せる
トップ選手の能力でしょう
YouTube動画 106回日本選手権競歩20㎞
Follow me!
