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東京五輪、競歩が札幌に移ってメダル争いにどんな影響があるのか?
東京五輪ですが、競歩とマラソンは札幌で開催されることになりました。
それがどんな影響があるのか?
解説したいと思います。
日本陸連科学委員会は、かなり早い段階で暑さ対策をしてきました。
開催が決まった2013年から動き出したと言っても過言ではありません。
選手のトレーニング・実際の試合からも発汗量や成分など
様々なデータを収集し、選手にフィードバックし試合で試して
今度は選手からフィードバックしてもらい。。。
ということをずっと続けてきました。
その結果として世界陸上ドーハ大会では、金メダル2個入賞3という
過去にない好成績に繋げました。
日本が素晴らしい暑さ対策をした!ということもありますが
他国が暑さ対策で日本よりもかなり遅れている、ということも1つの要因でした。
暑い中でのレースですから、「記録ではなく順位」です。
つまり、絶対値ではなく相対値で順位がつくのです。
日本の選手が80%のパフォーマンスを出せる暑さ対策をしていて
他国の選手が90%のパフォーマンスを出せる暑さ対策をしたなら
日本の選手は苦戦します。
しかし、
日本の選手が80%のパフォーマンスを出せる暑さ対策をしていて
他国の選手が50%のパフォーマンスを出せる暑さ対策をしたなら
日本が圧勝できます。
ドーハはまさにこんな感じだったと思います。
いわば「選手の力量」+「サポート力(コーチ・スポーツ科学)」の総合力で
大きく差をつけることが出来た!という見方もできます
ドーハでは50km競歩も20km競歩の金メダル獲得は
鈴木選手・山西選手とも序盤は様子をみて中盤にはトップに立ち押し切りました。
序盤にトップに立った海外選手たちは自信がなさげでトップを歩いていましたが
日本の2選手は暑さを味方につけて堂々と歩いていました。
「サポート力」が彼らの背中を後押ししました。
実際に、レースでみていても日本選手は給水、氷の使い方・受け取り方は
非常に考えられたものでしたが、海外選手はいつもの試合とあまり変わらない感じでした。
涼しいとこでおこなうとこの「サポート力」に差が生まれ難くなります。
ですから、決して札幌に移ったことが選手のメダル獲得にプラスになった、とはいえません。
しかし、「サポート力」というアドバンテージがまったく無くなった訳ではありません
それは、札幌も「暑い」からです。
もちろん、東京よりも涼しいのは事実ですが、8月に行われる北海道マラソン(※訂正:札幌マラソン)が暑いマラソン大会!
というのは、現地の人、参加したことのある人にとっては周知の事実です。
皆さんも、札幌ってたまに東京よりも暑い日がある!、というのもニュースでみたことがあると思います。
ですから、科学委員会の長年の苦労が無になることはありません。
しかし、他国との「サポート力」の差は縮まってしまったのは事実でしょう
決まったのが遅かったのも痛いです。
コースであらかじめ練習が出来る、ということが他国とあまり変わらない回数になると思います
冬に時期に入るので、寒さや積雪でコースの感触を掴む、というトライが4-5月ずれ込むからです
五輪3ヶ月前になるので各国選手も当然練習に来るでしょう。
それに実際に8月の試合と同等の時期に歩くことができず、試合中の日の差し方、気温の上がり方などを
体験しておくこともできませんでした。
こういうことが事前に回数多く出来るのがホームアドバンテージなのです。
そんなホームアドバンテージを得られなかったことが大きなハンディなるような
日本の選手たちは軟ではありません
そんなことをものともせず、きっと良い結果をもたらしてくれると思います