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世界陸上ドーハ大会 男子20㎞競歩サイドストーリー 「間違い」と「苦さ」を糧に
山に選手が鈴木選手に続き、金メダルを獲得しました。
そんな中、2名の選手も死力を尽くしてくれました。
高橋選手は、実は500mゴールを間違えてしまいました。
500m足らないのにゴールだと思い、ゴールラインで倒れ込んでしまったのです。
私もこの記事でそのことを知りました。
https://www.daily.co.jp/general/2019/10/05/0012761702.shtml
TV中継はレース現場に行っていますが、近くの放送車の中でモニターを見ながら実況をします
ですから、モニターに映らない事は基本的には何も分からない
高橋選手のゴール間違いはモニターに映らなかったので分かりませんでした。
高橋選手は、これまでは世界ランク1位で世界陸上に臨み、惨敗を続けてきました。
今年は苦手意識の強い海外で試合を重ねて、克服しつつあり、
ようやく8位入賞が出来る!位置で後半もレースをすることが出来
必死で追い上げたものの、まさかのゴールミス。
暑さで思考能力が落ちていたとしても、世界陸上3回目の選手としては
あまりにも致命的なミスでした。
しかし、このレースで高橋選手はミスはしたけれど「諦めなかった」
そんなレースをしてくれました。
実は、高橋選手は14㎞地点では8位入賞圏内を歩いてましたが、17㎞では10位まで順位を落としています。
そこから、19.5㎞には8位まで上げて入賞への執念を見せました。
これまでの高橋選手のレースでは無かったことです。
いままでの高橋選手であればズルズル後退しても不思議ではなかったっと思います。
もちろん「後悔」は残るでしょう。ただ、「手ごたえ」も残ったはず。
それを支えにもう一度立ち上がって進んで欲しいと思います。
池田選手は、まだまだ若い選手です
2018年に世界競歩チーム選手権で個人優勝し世界一となりました。
7月にユニバーシアードがあり金メダルを獲得し、その疲労がなかなか抜けない中でも
手厚い東洋大学陸上部の家族のようなサポートを受け、
コーチも本人も状態は最高に良い、ということで期待が高まる中でした。
7月に試合があり疲労が抜けきれなく練習開始が遅れたこと
序盤に給水を摂り切れずに、身体を冷やすことができなかったこと
たらればを言えば切りがないですが、惜しいレースでした。
ただ、初出場で5位入賞。そんな選手はそうそう居ません。
世界一になった実力の片鱗はしっかりと見せてくれました。
池田選手の良さである「粘り」が見せ切らなかったのは
まだまだ、練習で詰める部分があるということ、この「苦い」経験は貴重だったと思います
世界競歩チーム選手権で個人優勝したという「世界大会」での優勝は日本人では3名しかいません
鈴木選手・山西選手、そして池田選手。
そして今回の苦しいレースの体験は、きっと違う形で彼に還ってくると思います
順風満帆で強くなった選手は一人もいません。
この敗戦がきっと池田選手を更に強くしてくれると確信しています。