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男子20km競歩 世界競歩チーム選手権 団体金メダル 解説!
男子50㎞競歩が、金メダルを必ず獲らないといけないプレッシャーがあったなら
男子20㎞競歩は、メダル獲得を裏切り続けてきた歴史からの脱却のプレッシャーがありました。
しかも、昨日の50㎞競歩の快挙が20㎞競歩をさらに難しくしました。
https://www.pro-walkingcoach.com/blog20180505/
それを乗り越えての、20㎞競歩の個人金・団体金は、50㎞競歩の表彰台独占と同じくらい
難しいことだったと思います。
では、この勝因はなんだったのでしょうか?
〇前半をしっかりと我慢できた(飛び出さなかった)
これまで、日本の選手はペースが遅いと飛び出してしまい、海外の選手に上手く使われて
後半失速することが多かったのですが、それをすることなく全選手がしっかりと我慢をしてレースを作れました。
今回は海外勢で、中国とドイツ選手が飛び出しましたが、それに釣られることもなく
集団に日本の全選手が控えていたので、各国のコーチは非常に嫌だったと思います。
(日本がいつものレースをしてこなく、飛び出す選手がいれば日本もついていって自滅するだろうっと考える海外のコーチは多い)
〇スピードレースにならなかった。
スタートはやや蒸し暑いくらいであったこと。昨日の50㎞競歩の日本の快挙と日本選手の持ちタイムが
飛びぬけていたことで、各国選手が日本の選手をかなり警戒しました。結果速いペースになりませんでした。
速いペースは持ちタイムの良い日本にとって良いのでは?と考えがちですが
過去のレースを振り返ると、結果を残せていないこともそうとも言い切れません。
それは、日本の選手は日本選手権が2月にあるのでピークがそこに合わせられます。
そうなるとそこから3か月後の5月までその調子を維持するのは難しいです。
実際に日本選手権で1・2位となり今季の世界ランク1・2位の高橋選手・松永選手は
苦しいレースとなりました。
〇フレッシュな力の台頭
若い池田・山西がリオ五輪の代表だった選手たちを上回る活躍をしました。
この意味は非常に大きいです。
速いタイムはあっても男子20㎞競歩の日本人は結果が出せない、という閉塞感を
この二人は打ち破ってきました。(山西選手はユニバーシアード優勝・池田選手は伝統あるルガノカップ優勝)
その二人が池田選手は優勝、山西選手は4位と、団体金メダルに大きく貢献しました。
このことは、今回結果が残せなかった選手にも、刺激と勇気を与えてくれると思います。
50㎞競歩でも層の厚さを見せつける結果となりましたが
20㎞競歩も層の厚さを世界にアピールする結果となりました。
五輪・世界陸上の代表になったことのない日本選手が、優勝と4位。
この事実は海外勢は、日本が強さを改めて認識したのではないでしょうか
もちろん、男子20㎞競歩は課題も山積です。
〇高橋・松永選手が結果を残せなかったこと
日本で強い選手が海外で強い選手にならないのはやはり問題があります。
〇50㎞同様、20㎞競歩も強い選手の出場が少なかった
オーストラリアのバードスミス選手や、イギリスのボスワース選手、世界陸上を勝ったアレバロ選手、は
出場しており50㎞よりメンバーは揃いましたが、
中国のエース、王選手・陳選手・蔡選手が出場してませんでした。
いざ、五輪となったときに、ここまですんなり他国の選手が勝たせてくれるとは思えません。
しかし、確実に男子20㎞競歩は一段レベルアップしました。